USCPA (米国公認会計士)
概要
USCPA（U.S. Certified Public Accountant：米国公認会計士）は、米国各州が認定する会計専門資格です。 国際会計基準（IFRS）やUS GAAPに基づく財務報告、監査、税務に関する知識を証明し、グローバルなビジネス環境で高く評価されます。 2024年1月より「CPA Evolution」と呼ばれる新試験制度に移行し、より実務に即した内容に刷新されました。
試験詳細
2024年以降、試験は必須3科目 + 選択1科目の合計4科目で構成されます。全4科目を30ヶ月以内に合格する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 年間を通じて受験可能（CBT方式） |
| 試験方式 | CBT（コンピュータ試験） |
| 試験時間 | 各科目 4時間 |
| 合格基準 | 各科目 75点以上 / 100点満点 |
| 受験資格 | 4年制大学卒業、会計・ビジネス単位の取得（州により異なる） |
| 有効期限 | 30ヶ月以内に全4科目合格が必要 |
試験科目と出題範囲
必須科目（3科目）
FAR (Financial Accounting & Reporting) - 財務会計
- 財務報告 (30-40%)
- 貸借対照表の勘定科目 (30-40%)
- 取引の選択 (25-35%)
- 政府・非営利組織会計も含む
AUD (Auditing & Attestation) - 監査及び証明業務
- 倫理、専門職責任、一般原則 (15-25%)
- リスク評価と計画策定 (25-35%)
- 監査手続きの実施と証拠入手 (30-40%)
- 結論の形成と報告 (10-20%)
REG (Regulation) - 税法及び商法
- 倫理・専門職責任・連邦税務手続き (10-20%)
- ビジネス法 (15-25%)
- 財産取引の連邦税制 (5-15%)
- 個人所得税 (22-32%)
- 法人税 (23-33%)
選択科目（3科目から1科目を選択）
BAR (Business Analysis and Reporting) - ビジネス分析及び報告
- ビジネス分析 (40-50%): CVP分析、原価管理、意思決定会計
- 技術的会計と報告 (35-45%): IFRS、連結会計、収益認識
- 州及び地方自治体 (10-20%)
ISC (Information Systems and Controls) - 情報システム及び統制
- 情報システムとデータ管理 (35-45%)
- セキュリティ・機密性・プライバシー (35-45%)
- SOC（システムと組織の統制）の留意点 (15-25%)
TCP (Tax Compliance and Planning) - 税法遵守及び税務計画
- 個人税務コンプライアンスと財務計画 (30-40%)
- 法人税務コンプライアンス (30-40%)
- 法人の税務計画 (10-20%)
- 財産取引 (10-20%)
難易度・勉強時間目安
- 難易度: 高い (科目別合格率 40～60%程度、日本人の全科目合格率 約18～20%)
- 2024年の科目別合格率：FAR 約37%, AUD 約45-50%, REG 約50%, BAR 約34%, TCP 約82%
- 全て英語での出題のため、日本人受験者には語学力も必要（TOEIC 800点以上推奨）
- 日本の公認会計士試験より合格率は高いが、英語の壁がハードルとなる
- 勉強時間: 1,000～1,500時間
- 計画的な学習と時間管理が重要です
2024年新制度の主な変更点
- 科目構成が「必須3科目 + 選択1科目」に変更
- Written Communication（記述問題）の廃止
- 計算ツールがExcelからJavaScriptベースのスプレッドシートに変更
- より実務に即した内容への刷新