木造建築士
概要
木造建築士は、都道府県知事が認定する国家資格で、一定規模以下の木造建築物の設計・工事監理を行うことができます。 戸建て住宅やリノベーション、小規模な木造施設などの設計に特化しており、木造建築に関する専門知識と技術を証明します。 一級建築士・二級建築士とともに、建築士法に基づく3つの建築士資格の一つです。
試験詳細
試験は学科試験と設計製図試験の2段階で構成されています。
| 項目 | 学科試験 | 設計製図試験 |
|---|---|---|
| 試験日程 | 7月頃 | 10月頃 |
| 試験時間 | 午前2科目 + 午後2科目 | 5時間 |
| 出題形式 | 五肢択一式 | 製図課題 |
| 合格基準 | 各科目40%以上、総合60%以上 | 総合的に評価 |
業務範囲
木造建築士が設計・監理できる建築物は以下の範囲に限られます。
- 構造: 木造建築物のみ
- 階数: 平屋または2階建て
- 延べ床面積: 100㎡超~300㎡以下
- 注意: 100㎡以下の木造建築物は資格なしでも設計可能
他の建築士資格との違い
| 資格 | 業務範囲 | 認定機関 |
|---|---|---|
| 木造建築士 | 木造 100㎡超~300㎡以下 平屋・2階建て | 都道府県知事 |
| 二級建築士 | 木造 1,000㎡以下 RC造等 300㎡以下(条件あり) | 都道府県知事 |
| 一級建築士 | 規模・種類に制限なし (超高層ビル・大規模施設も可能) | 国土交通大臣 |
学科試験科目
- 建築計画 - 空間計画、住宅設計など
- 建築法規 - 建築基準法、関連法規
- 建築構造 - 木造構造の力学、耐震設計
- 建築施工 - 施工計画、工事管理
難易度・勉強時間目安
- 難易度: 普通 (2024年度 総合合格率 39.9%)
- 学科試験合格率:57.3%(2024年度)
- 設計製図試験合格率:70.8%(2024年度)
- 過去5年平均:学科 約58%、製図 約68%、総合 約38%
- 受験者の半数以上が不合格になるが、一級・二級建築士より難易度は低い
- 勉強時間: 300~400時間
- 学習期間目安:半年~8ヶ月
- 製図試験は実技練習が必須
受験資格
建築に関する学歴または実務経験が必要です(詳細は都道府県により異なる)。
- 建築系大学卒業者
- 建築系専門学校卒業者
- 一定年数の実務経験者