FRM (Financial Risk Manager)
概要
FRM(Financial Risk Manager:金融リスク管理士)は、GARP(Global Association of Risk Professionals)が認定する国際的な金融リスク管理資格です。 市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスク、流動性リスクなど、金融機関が直面する様々なリスクを横断的に評価・管理する能力を証明します。 試験はすべて英語で実施され、金融業界で最も挑戦的な資格の一つとされています。
試験詳細
FRM試験はPart IとPart IIの2段階で構成されています。両方に合格後、2年以上の実務経験を持つことでFRMホルダーとして認定されます。
| 項目 | Part I | Part II |
|---|---|---|
| 試験日程 | 年3回(5月・8月・11月) | 年3回(5月・8月・11月) |
| 試験方式 | CBT(コンピュータ試験) | CBT(コンピュータ試験) |
| 試験時間 | 4時間 | 4時間 |
| 問題数 | 100問(多肢選択式) | 80問(多肢選択式) |
| 受験料 | 早期: $600 / 通常: $800 | 早期: $600 / 通常: $800 |
| 初回登録料 | $400(Part I受験時のみ) | 不要 |
出題範囲
Part I(基礎知識)
- リスク管理の基礎 (20%)
リスクの種類・測定・管理方法、企業のリスク管理枠組み、ガバナンス構造 - 定量的分析 (20%)
確率・統計、計量経済学、時系列分析、シミュレーション - 金融市場と商品 (30%)
デリバティブ(先物・オプション・スワップ)、債券、MBS、金融機関の構造 - 評価とリスクモデル (30%)
VaR推定、ボラティリティと相関の推定、オプション評価モデル、ブラック・ショールズモデル
Part II(実務応用)
- 市場リスクの測定と管理 (20%)
市場リスクのモデリング、VaRの検証、バックテスト、リスク調整済みパフォーマンス指標 - 信用リスクの測定と管理 (20%)
カウンターパーティリスク、信用エクスポージャー、信用デリバティブ、セキュリタイゼーション - オペレーショナルリスクとレジリエンス (20%)
オペレーショナルリスク管理、バーゼル要件、ERM、事業継続計画 - 流動性リスクと資金リスクの測定と管理 (15%)
資金流動性リスク、市場流動性リスク、流動性カバレッジ比率 - リスク管理と投資運用 (15%)
ポートフォリオ構築、リスクバジェット、ヘッジファンド戦略 - 金融市場における現在の課題 (10%)
AI・気候リスク・暗号資産など最新トピック(毎年更新)
難易度・勉強時間目安
- 難易度: 非常に高い (合格率 Part I: 55~56%, Part II: 52%程度)
- 金融工学の修士課程やMBAレベルの実践的な内容が含まれます。
- 英語で出題されるため、日本人受験者は語学力と専門知識の両方が必要です。
- 勉強時間: 各パート 200~300時間(合計 400~600時間)
- 多くの受験者は各パートの合格に半年程度の準備期間を要します。
公式情報
ハッシュタグ
- #資格 #FRM #Risk